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◆QoSを設定するコマンド(その1)

※動作確認は、YAMAHA RTX1100ルータで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、ファームウェアのバージョンで異なる場合があります。
 資格取得が就職、転職、派遣に有利なのは確かですが、「資格=即戦力」とは言えません。実機を操作して資格取得と同時に就職・転職・派遣後に求められるエンジニア(仕事・ジョブ・ワークの達人)としての即戦力を養いましょう。



◆QoSを設定するコマンド(その1)

 優先制御と帯域制御の機能は、インタフェースに入力されたパケットの順序を入れ換えて別のインタフェースに出力します。これらの機能を使用しない場合には、パケットは入力した順番に処理されます。

 優先制御は、クラス分けしたキューに優先順位をつけ、まず高位のキューのパケットを出力し、そのキューが空になると次の順位のキューのパケットを出力する、という処理を行います。

 帯域制御は、クラス分けしたキューをラウンドロビン方式で監視しますが、監視頻度に差を与えてキューごとに利用できる帯域に差をつけます。

 クラスは、「queue class filter」コマンドにより、パケットのフィルタリングと同様な定義でパケットを分類します。優先制御、帯域制御で使用可能なクラスは以下の通りです。
モデル 優先制御で使用可能なクラス 帯域制御で使用可能なクラス
RTX3000 1〜16 1〜100
上記以外の機種 1〜4 1〜16

クラスは番号が大きいほど優先順位が高くなります。

 パケットの処理アルゴリズムは、「queue interface type」コマンドにより、優先制御、帯域制御、単純FIFOの中から選択します。これはインタフェースごとに選択することができます。


◆インタフェース速度の設定

# speed interface speed
# speed pp speed

【設定値及び初期値】

●interface
設定値 : LAN インタフェース名、WAN インタフェース名

●speed
設定値 : インタフェース速度 (bit/s)
初期値 : 0(PP インタフェースの場合 )

【説明】
 指定したインタフェースに対して、インタフェースの速度を設定します。帯域制御でCBQを利用する際は、パラメータ計算に用いられるので、物理的な速度と一致している必要がある。その場合、MPにより動的に回線速度が変動する場合などは、最低限の速度に設定しておく。

speed パラメータの後ろに'k'または、'M'をつけると、それぞれ kbit/s、Mbit/s として扱われます。


◆クラス分けのためのフィルタ設定

# queue class filter num class1[/class2] [cos=cos] ip src_addr [dest_addr [protocol [src_port [dest_port]]]]

【設定値及び初期値】

●num
設定値 : クラスフィルタの識別番号

●class1
設定値 :
設定値 説明
1..100 (RTX3000) クラス
1..16 (上記以外)
precedence  転送するパケットのTOSフィールドのprecedence(0-7)に応じてクラス(1-8)を分けて優先制御もしくはシェーピング、Dynamic Traffic ControlやCBQによる帯域制御を行います。
dscp 転送するパケットのDSフィールドのDSCP値により定義される PHBに応じてクラス(1-9)を分けて優先制御もしくはシェーピングや Dynamic TrafficControl による帯域制御を行います。
※設定値は、使用するルータのモデルとファームウェアのバージョンによってサポートされているかを確認する必要があります。

●class2
設定値 : 第 2 階層クラス (1..4)

●cos
設定値:
設定値 説明
0-7 CoS値
precedence 転送するパケットのTOSのprecedence(0-7)をToS-CoS変換としてCOS値に格納する。

●src_addr : IPパケットの始点IPアドレス
設定値 :
 ・A.B.C.D (A〜D: 0〜255 もしくは*)
  ※上記表記でA〜Dを*とすると、該当する8ビット分についてはすべての値に対応する。
 ・*(すべてのIPアドレスに対応)

●dest_addr : IPパケットの終点IPアドレス
設定値 :
 ・src_addr と同じ形式
 ・省略した場合は一個の * と同じ

●protocol : フィルタリングするパケットの種類
設定値 :
 ・プロトコルを表す十進数
 ・プロトコルを表すニーモニック
icmp 1
tcp 6
udp 17
 ・上項目のカンマで区切った並び (5個以内)
 ・*(すべてのプロトコル)
 ・established
 ・省略時は * と同じ

●src_port : UDP、TCP のソースポート番号
設定値 :
 ・ポート番号を表す十進数
【ポート番号を表すニーモニック (一部)】
ニーモニック ポート番号
ftp 20,21
ftpdata 20
telnet 23
smtp 25
domain 53
gopher 70
finger 79
www 80
pop3 110
sunrpc 111
ident 113
nntp 119
ntp 123
snmp 161
syslog 514
printer 515
talk 517
route 520
uucp 540

 ・間に「-」をはさんだ2つの上項目、「-」を前につけた上項目、「-」を後ろにつけた上項目、これらは範囲を指定する。
 ・上項目のカンマで区切った並び (10個以内)
 ・*( すべてのポート )
 ・省略時は * と同じ。
 ・dest_port : UDP、TCP のディスティネーションポート番号

【説明】
 クラス分けのためのフィルタを設定します。class1に、precedenceを指定した場合、フィルタに合致したパケットは、そのパケットのIPヘッダのprecedence 値に応じたクラスに分けられます。

 class1にdscpを指定した場合、フィルタに合致したパケットは、そのパケットのIPヘッダの DSCP値により定義されるPHBに応じたクラスに分けられます。

 「cos=cos」指定を行うと、フィルタに合致したパケットに付加されるIEEE802.1Qタグのuser_priorityフィールドに、指定したCoS値が格納されます。cosにprecedenceを指定した場合、そのパケットのIPヘッダのprecedence値に対応する値が、user_priorityフィールドに格納されます。

 パケットフィルタに該当したパケットは、指定したクラスに分類される。このコマンドで設定したフィルタを使用するかどうか、あるいはどのような順番で適用するかは、各インタフェースにおける「queue interface class filter list」コマンドで設定します。

※設定値は、使用するルータのモデルとファームウェアのバージョンによってサポートされているかを確認する必要があります。

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