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◆QoSを設定するコマンド(その2)
※動作確認は、YAMAHA RTX1100ルータで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、ファームウェアのバージョンで異なる場合があります。
資格取得が就職、転職、派遣に有利なのは確かですが、「資格=即戦力」とは言えません。実機を操作して資格取得と同時に就職・転職・派遣後に求められるエンジニア(仕事・ジョブ・ワークの達人)としての即戦力を養いましょう。
◆QoSを設定するコマンド(その2)
「QoSを設定するコマンド(その1)」に引き続き、QoSを設定するコマンドを説明してゆきます。
◆キューイングアルゴリズムタイプの選択
# queue interface type type
# queue pp type type
【設定値及び初期値】
●interface
設定値 : LAN インタフェース名、WAN インタフェース名
●type
設定値 :
設定値 |
説明 |
fifo |
First In,First Out 形式のキューイング |
priority |
優先制御キューイング |
cbq |
帯域制御キューイング |
wfq |
Weighted Fair Queue 形式のキューイング |
shaping |
帯域制御 |
初期値 : fifo
【説明】
指定したインタフェースに対して、キューイングアルゴリズムタイプを選択します。fifoは最も基本的なキューで、パケットは必ず先にルーターに到着したものから送信され、パケットの順番が入れ替わることはありません。
fifoキューに溜まったパケットの数が「queue interface length」コマンドで指定した値を越えた場合、キューの最後尾に到着したパケットが破棄されます。
priorityは優先制御を行います。「queue class filter」コマンド及び「queue interface class filter list」コマンドでパケットをクラス分けし、送信待ちのパケットの中から最も優先順位の高いクラスのパケットを送信します。
cbqは、BRIとPRIインタフェースに対する帯域制御を行います。PPインタフェースにだけ設定できます。
wfqは、送信待ちのパケットを始点・終点IPアドレスやプロトコル、ポート番号でフローとしてグループ分けし、それぞれのフローで使用する帯域のバランスが取れるようにするキューイングアルゴリズムです。
wfqを使用すると、TELNETのような、帯域をそれほど必要としないが、速い応答時間を必要とされるプロトコルと、FTPのような応答時間よりも広い帯域を必要とするプロトコルを同時に利用した場合に、TELNETの応答時間の落ち込みを fifoに比べて軽減することができます。
wfqの最大の特徴は、設定する必要がないということです。設定するところがないため、優先制御や帯域制御に比べて細かい調整を行うことができませんが、簡単にフロー間での帯域のバランスを図ることができます。PPインタフェースにだけに設定を行うことができます。
shapingは、LAN インタフェースに対する帯域制御を行う。LAN インタフェースにだけ設定できます。
◆デフォルトクラスの設定
# queue interface default class class
# queue pp default class class
【設定値及び初期値】
●interface
設定値 : LAN インタフェース名、WAN インタフェース名
●class
設定値 : クラス (1..16; RTX3000の場合は 1..100)
初期値 : 2
【説明】
インタフェースに対して、フィルタにマッチしないパケットをどのクラスに分類するかを指定する。
◆クラスの属性の設定
# queue interface class property class bandwidth=bandwidth
# queue interface class property class type=type
# queue pp class property class bandwidth=bandwidth [parent=parent] [borrow=borrow] [maxburst=maxburst][minburst=minburst] [packetsize=packetsize]
【設定値及び初期値】
●interface
設定値 : LAN インタフェース名、WAN インタフェース名
●class
設定値 : クラス (1..16; RTX3000 の場合は 1..100)
●bandwidth
設定値 :
・クラスに割り当てる帯域 (bit/s)
・数値の後ろに'k'、'M'をつけるとそれぞれkbit/s、Mbit/sとして扱われる。また、数値の後ろに '%' をつけると、回線全体の帯域に対するパーセンテージとなる。
・'ngn'を設定した場合はデータコネクト拠点間接続の接続時に決めた帯域に設定される。
●parent
設定値 : 親クラスの番号 (0..16)
初期値 : 0
●borrow : 帯域が足りなくなった場合に親クラスから帯域を借りるか否かの設定
設定値 :
初期値 : on
●maxburst
設定値 : 連続送信できる最大バイト数 (1..10000)
初期値 : 20
●minburst
設定値 : 安定送信中に連続送信できる最大バイト数 (1..10000)
初期値 : maxburst/10
●packetsize
設定値 : クラスで流れるパケットの平均パケット長 (1..10000)
初期値 : 512
●type
設定値 :
設定値 |
説明 |
priority |
優先制御クラスとして使用することを明示する。 |
【説明】
bandwidthパラメータで各クラスに割り当てる帯域の合計は、回線全体の帯域を越えてはならない。また、回線全体の帯域は、speedコマンドで設定します。
なお、cbqによる帯域制御を行う場合、各クラスに割り当てる帯域は、親クラス以下の値でなければならない。
「queue interface type」コマンドでshapingが指定されている場合は、Dynamic Traffic Controlによる帯域制御を行うことが可能です。
Dynamic Traffic Controlを行うためには、bandwidth パラメータに「,」(コンマ) でつないだ2つの速度を指定することで、保証帯域と上限帯域を設定する。
記述順に関係なく、常に値の小さな方が保証帯域となります。なお、保証帯域の合計が回線全体の帯域を越えてはならない制限があります。
※Dynamic Traffic Controlは RTX1100、RTX1500、RTX3000、SRT100、RTX1200などで利用可能です。
parent、borrow、maxburst、minburst、packetsizeパラメータは「queue interface type」コマンドでcbqが指定されている場合のみ有効です。
cbqにおいて、クラス番号0はルートクラスを表します。ルートクラスとは、仮想的クラスことで、常に100%の帯域を持ち、デフォルトでは、他のクラスの親クラスとなります。
ルートクラスに直接パケットの割り振りは行わないで、帯域を他のクラスに貸し出すためにだけに使用されます。
帯域が足りなくなった場合に、親クラスから帯域を借りるように、「borrow=on」と設定すると、このクラスの最大速度は親クラスの最大速度まで増やすことができます。
通常は100%の帯域を持つルートクラスが親クラスとなるため、クラスの帯域は回線速度一杯にまで広げることができます。bandwidthの設定は、回線が混雑している場合に他のクラスとどの程度の割り合いで帯域を分けるかの目安として指定します。
帯域を借りてこない設定「borrow=off」をすると、このクラスの最大速度は、bandwidthの値になり、それ以上の帯域を使わなくなります。特定のトラフィックの帯域を制限したい場合に有効です。
typeパラメータは、RTX3000で指定可能で「queue interface type」 コマンドでshapingが指定されている場合のみ有効です。
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