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◆コンバージェンス(収束)の問題
※動作確認は、Cisco2500、Cisco1710、Cisco1720、Cisco1721、Cisco2611、Cisco2650、Cisco3620シリーズのルータ、Catalyst2900、Catalyst2950シリーズのスイッチなどで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、IOSのバージョンで異なる場合があります。
資格取得が就職、転職、派遣に有利なのは確かですが、「資格=即戦力」とは言えません。実機を操作して資格取得と同時に就職・転職・派遣後に求められるエンジニア(仕事・ジョブ・ワークの達人)としての即戦力を養いましょう。
◆コンバージェンス(収束)の問題
ディスタンスベクタ型のルーティングプロトコルは、非常に単純なアルゴリズムで動作するため、現在でも小規模ネットワークでは、よく利用されています。
しかし、単純なアルゴリズムであるが上、欠点も持ち合わせています。
その一つが、コンバージェンス(収束)の問題です。
コンバージェンスとは、ネットワーク上の全てのルータで行われ、最終的に全てのルータが同じルーティングテーブルを持つようになる状態のことです。
例えば、RIPの場合で話をしてゆきます。
RIPは、30秒間隔でアップデートを送信します。
上の図を見れば分かるように、Router_Aが学習した内容がRouter_Eに届くには、単純計算で、30秒×3=90秒かかってしまう計算になります。
下図のように192.168.1.0/24ネットワークがダウンしてしまった場合について考えてみます。
Router_CやRouter_Dに192.168.1.0/24ネットワークがダウンしているという情報が、届くまでには、時間がかかってしまいます。
Router_CやRouter_Dは、192.168.1.0/24ネットワークがダウンしているという情報が届くまでは、まだ、192.168.1.0/24ネットワークへパケットを転送できると思っているので、192.168.1.0/24宛てのパケットを転送してしまいます。
結局、Router_Dまで、192.168.1.0/24ネットワークがダウンしているという情報が届くまでに90秒かかってしまうことになり、その間、間違った経路情報でルーティングが行われてしまうことになります。
もっと大きなネットワークであった場合は、どうでしょうか?
収束するのに、もっと時間がかかってしまうことは容易に想像できると思います。
コンバージェンスに時間がかかるということは、収束するまでの間、ネットワークの状態が不安定になります。たとえば、ルーティングループが発生するなどの問題が出てきます。
このような事態に陥らないように、トリガアップデートなどの仕組みが用意されています。トリガアップデートとは、ネットワーク内の変更を検出した場合に定期的な更新を待たずに、すぐに経路情報を送信することです。
トリガアップデートによりコンバージェンスにかかる時間を短縮することができます。
「ディスタンスベクタ型の経路学習について」 ← 前項 | 次項 → 「ルーティングループの問題」
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