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◆EIGRPの特徴
※動作確認は、Cisco2500、Cisco1710、Cisco1720、Cisco1721、Cisco2611、Cisco2650、Cisco3620シリーズのルータ、Catalyst2900、Catalyst2950シリーズのスイッチなどで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、IOSのバージョンで異なる場合があります。
資格取得が就職、転職、派遣に有利なのは確かですが、「資格=即戦力」とは言えません。実機を操作して資格取得と同時に就職・転職・派遣後に求められるエンジニア(仕事・ジョブ・ワークの達人)としての即戦力を養いましょう。
◆EIGRPの特徴
EIGRPは、IGRPと同様にCisco Systemsが開発した独自のルーティングプロトコルで、ディスタンスベクタープロトコルとリンクステートプロトコルの特徴を併せ持つハイブリッド型のルーティングプロトコルです。
IGRPと同様、自律システム(AS)内でルーティングアップデートを交換します。異なるASとはルーティングアップデートを交換しません。IGRPの最大ホップ数は255ですが、EIGRPでは最大ホップ数は224になっています。
EIGRPでは、経路を計算するメトリックとして、IGRP同様に、「帯域幅」「遅延」「負荷」「信頼性」「MTU」の5つを使います。
メトリックの計算式は、以下になります。
メトリック=[K1×帯域幅 + (K2 × 帯域幅) ÷ (256 - 負荷) + (K3 × 遅延)] × [K5 ÷ (信頼度 + K4)]
係数であるK1〜K5のデフォルト値は
K1=1,K2=0,K3=1,K4=0,K5=0
になっているので
メトリック = 帯域幅 + 遅延
になります。
K4=0,K5=0の場合、[K5 ÷ (信頼度 + K4)]は、計算されないようになっています。
EIGRPでは、帯域幅と遅延がIGRPの256倍の値が使われます。
EIGRPの帯域幅 = (10,000,000 ÷ 帯域幅) × 256
EIGRPの遅延 = (遅延 ÷ 10) × 256
計算式から分かるように、EIGRPとIGRPのメトリックは、256で乗除すれば、簡単にIGRP、EIGRPのメトリックに変換できそうなことが分かります。
EIGRPとIGRPは、同じCisco Systems独自のプロトコルで相性がよく、AS番号が一致していれば、自動的に、ルートを再配布してくれます。
上の図の場合、Router_Bの場合下のように設定するだけで、自動的にIGRP、EIGRP間でルート情報を再配布してくれます。
Router_B(config)#router igrp 1
Router_B(config-router)#network 172.17.0.0
Router_B(config-route)#exit
Router_B(config)#router eigrp 1 Router_B(config-router)#network 172.18.0.0
EIGRPは、IGRPとよく似た特徴を持っていますが、次の点がIGRPに比べて優れています。
・VLSM(可変長サブネットマスク)に対応
・CIDR(Classless Interdomain Routing)に対応
・複数のネットワーク層プロトコルに対応
・より高速に収束する
多くのルーティングプロトコルでは、TCPを使ってパケットを配送しますが、EIGRPでは、自前のトランスポート層プロトコルのRTP(Reliable Transport Protocol)を使ってパケットを配送します。
EIGRPでは、ルーティングテーブルの全体をアップデートするのではなく、部分的なアップデートを行っています。EIGRPのアップデートは、直接つながっているルータにだけアップデートを送るようになっています。ディスタンスベクタ型と同じようなアプローチをとるので、EIGRPは、「拡張ディスタンスベクタ型」とも呼ばれています。そのため、限られた帯域幅を効率よく使うことができます。
また、複数のルーテッドプロトコルに対応しており、IP、IPX、AppleTalkもサポートしています。
◆EIGRPの3つのテーブル
EIGRPは次の3種類のテーブルを維持管理しています。
・ネイバーテーブル
・トポロジテーブル
・ルーティングテーブル
●ネイバーテーブル
隣接ルータとHelloパケットをやり取りして、取得した情報を登録しておくためのテーブルです。ネットワーク層のプロトコルごとにネイバーテーブルに保存します。隣接ルータに対して、マルチキャストIPアドレス「224.0.0.10」でHelloパケットを交換することで隣接関係を結び、ネイバーテーブルを構築します。
●トポロジテーブル
宛先までの学習した全ての経路情報が登録されるテーブルです。ネットワーク層のプロトコルごとにトポロジテーブルに保持されます。
●ルーティングテーブル
IGRPでは、最適な経路をサクセサ(Successor)、2番目に最適な経路フィージブルサクセサ(Feasible Successor)を選出します。ルーティングテーブルには、サクセサだけが登録されます。サクセサがダウンするとフィージブルサクセサがサクセサに昇格してルーティングテーブルに登録されます。
次の「EIGRP(サクセサ・フィジブルサクセサ)」では、DUAL(Diffusing Update Algorithm)と呼ばれる計算アルゴリズムによってもとめられるサクセサとフィージブルサクセサを紹介します。
「AS間のルーティング(その2)」 ← 前項 | 次項 → 「EIGRP(サクセサ・フィジブルサクセサ)」
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