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◆IGRPの特徴
※動作確認は、Cisco2500、Cisco1720、Cisco1721、Cisco2611、Cisco2650、Cisco3620シリーズのルータ、Catalyst2900、Catalyst2950シリーズのスイッチなどで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、IOSのバージョンで異なる場合があります。 資格取得が就職、転職、派遣に有利なのは確かですが、「資格=即戦力」とは言えません。実機を操作して資格取得と同時に就職・転職・派遣後に求められるエンジニア(仕事・ジョブ・ワークの達人)としての即戦力を養いましょう。
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◆IGRPの特徴
IGRPは、RIPと同様に、ディスタンスベクタ型のルーティングプロトコルです。ルーティングテーブルを90秒ごとに交換しています。RIPでは、メトリックはホップカウントのみでしたが、IGRPでは、「帯域幅」「遅延」「負荷」「信頼性」「MTU」の5つを使います。
メトリックの計算式は、以下になります。
メトリック=[K1×帯域幅 + (K2 × 帯域幅) ÷ (256 - 負荷) + (K3 × 遅延)] × [K5 ÷ (信頼度 + K4)]
係数であるK1〜K5のデフォルト値は
K1=1,K2=0,K3=1,K4=0,K5=0
になっているので
メトリック = 帯域幅 + 遅延
になります。
K4=0,K5=0の場合、[K5 ÷ (信頼度 + K4)]は、計算されないようになっています。
つまり、IGRPは、デフォルトで回線の帯域幅を見ます。この辺がRIPとの大きな違いになります。
下の図の場合、Router_AからRouter_Eまでの経路は、RIPを使ったの場合とIGRP使った場合でどんな違いがあるのか。どういう経路を選択するか考えてみます。
RIPは、メトリックとしてホップカウントしか見ません。Router_AからRouter_Eまでの経路は、ホップカウント数だけで考えると、下図のように上のルート経由した方が、ホップカウント数が少なくなります。
と言うことで、RIPは、回線の帯域幅が64Kbpsと狭くとも、下の赤線のように上のルートを選択してしますのです。
RIPによる選択経路は、以下のようになります。
Router_A → Router_B → Router_D
ホップカウント数だけでは、必ずしもベストパスならないということです。
IGRPでは、メトリックとしてデフォルトで、「帯域幅+遅延」を考慮して経路を考えます。Router_AからRouter_Eまでの経路は、下図のように回線のスピードが速い下の経路が選択されます。
IGRPによる選択経路は、以下のようになります。
Router_A → Router_C → Router_D → Router_E
経由するルータの数は、多くなりますが、RIPと比べるとよりベターなルートが選出されることになります。
◆IGRPのルーティングタイマ
項目 |
デフォルト値 |
アップデートタイマ |
90秒ごと |
無効タイマ |
270秒 |
ホールドダウンタイマ |
280秒 |
フラッシュタイマ |
630秒 |
タイマについて少し、おさらいをしておきます。
●アップデートタイマ
定期アップデートの間隔です。この間隔時間でルーティングアップデートを送信します。
●無効タイマ
隣接ルータから最後のアップデートを受信してから、経路がダウンしたと判断する時間。ルーティングアップデートを受信してその経路情報が含まれている場合、タイマ値は、0にリセットされます。アップデートタイマの3倍の値になります。
●ホールドダウンタイマ
ダウンしている経路を復活させないためのタイマ、ディスタンスベクタ型のルーティングプロトコルが、ルーティングループを回避するために持っています。定期アップデートを無効タイマ内に受信できなかった場合、その経路が到達不能になったと判断してホールドダウンタイマを起動させます。アップデートタイマの3倍の値に10を加えた値になります。
ホールドダウンタイマ期間内では、アップデートを受信した、同じ近接ルータから再びアクセス可能だと知らされた場合と、以前よりよいルートが発見された場合、ホールドダウンタイマ値を0にリセットします。
●フラッシュタイマ
ルーティングテーブルから経路情報を削除するまでの時間。アップデートタイマの7倍の値になります。
IGRPのタイマ値を図で表すと下の図のようになります。

RIPの場合、フラッシュタイマは、ホールドダウンタイマの途中で期限に到達してしまうので、ホールドダウンタイマの上限に達する前に経路情報は、破棄されるので注意して下さい。

次の「IGRPの設定例1」で実際にIGRPネットワークを構築してみます。
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<関連コンテンツ>
・IGRPの特徴
・IGRPの設定例1
・IGRP(検証コマンド)
・IGRP(debugコマンド)
・IGRPの設定例2
・IGRPとRIPの混在時
・IGRP(不等コストロードバランシング)
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