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◆VNCでLinuxサーバを遠隔操作
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 ネットワーク実習を行う上で、各種サーバを構築する機会が多々発生してきます。DNS、DHCP、FTP、WWW、RADIUSなど各種サーバを構築するようになります。

 各種サーバを設定する度に、数台のパソコンの前を行ったり来たりして、キーボードやマウスで操作するのは、少々疲れてしまいますし、時間がかかってしまいます。

 PC切替え装置で切り替えて操作するという手もありますが、新たに切替え装置やケーブル一式を購入しなければなりませんし、なにより場所を取ります。

 手元のパソコンからリモートのサーバを設定できれば、便利ですよね!目の前のパソコンから離れることなく、設定作業ができれば、実習がはかどります。

手元のパソコンから、リモートのパソコンを操作を操作するには、次のような手段があります。

●Windowsの場合 ・・・ リモートデスクトップ接続

●Linuxの場合 ・・・ VNC( Virtual Network Computing)

 Windowsの「リモートデスクトップ接続」については、こちらで「リモートデスクトップで遠隔操作」で紹介しています。

 「VNC」は、手元のパソコンから、リモートパソコンを操作するリモート操作ソフトです。フリーソフトでありありながら、様々なプラットフォームに対応しています。Windowsをはじめ、LinuxなどのUNIX系OS、Windows、Macintoshなどに対応しています。

ここでは、数多くあるLinuxのディストリビューションの中から、Fedora 8への導入例を紹介してゆきます。


◆Fedora 8 のインストール

 Linuxのインストールは、昔に比べて、Windows並みに簡単になっています。ハードウェアの自動認識も優秀になってきており、大変な認識作業を行う機会が激減しています。

 Fedora 8の入手方法は、簡単です。「Fedora」で検索をかけると直ぐに見つけることができます。ダウンロードは、ミラーライトからダウンロードすると比較的、早くダウンロードすることができます。

 ダウンロードした「isoイメージファイル」は、DVD-R(W) でイメージファイルとして焼くことで、インストールDVDが作成できます。

Linuxは、ディストリビューション、バージョンが異なると設定方法が、変わってきますので、注意して下さい。

ここでは、インストールする際は、「SELinuxを無効」にしてインストールします。

 SELinuxは、サーバへの侵入や、アプリケーションが脆弱な場合において、サーバを保護するためのものですが、設定と管理が大変です。使いこなせなけば、各種トラブルの原因になるので、ここでは、その機能を無効にしておきます。


◆VNC のインストール

●VNC サーバプログラムのインストール

 「RealVNC」には、Serverとビューアの2つで構成されています。遠隔操作の対象となるサーバに、Serverプログラム、遠隔操作を行うための手元のパソコンには、ビューアをインストールします。

まずは、「VNC」をダウンロードを行います。

 「VNC」は、現在は開発を停止しています。そこで、「RealVNC」をダウンロードします。「RealVNC」は、「VNC」の正統な後継ソフトウェアです。

Fedora 8のDVD-ROMに、VNCが入っているのでダウンロードの必要はありません。

必要に応じて、以下のリンクから、「RealVNC」をダウンロードしてインストールします。

http://www.realvnc.com/


●リモートデスクトップの設定

Fedora 8には、リモートデスクトップという機能があります。

「システム」→「インターネットとネットワーク」→「リモート・デスクトップ」


 一見、これは、便利そうに思えてしまうのですが、残念ながら、ここで、リモート・デスクトップの設定を行っても、VNCビューアで遠隔操作はできません。


そこで、「VNC」をインストールしてやる必要があります。

Fedora 8では、「アプリケーション」→「ソフトウェアの追加/削除」からインストールできます。


「ソフトウェアの追加/削除」を起動すると、次の画面が表示されます。


 「VNCサーバ」は、サーバーのネットワークサーバーの中にあります。「オプションパッケージ」をクリックするとパッケージを選択することができます。


「vnc-server」を選択してインストールします。



◆ファイアウォールの設定

 続いてファイアウォールの設定です。VNCが使用する590X番のポートを許可する設定を行います。ここでは、設定を簡単に行うため、ファイアウォールの機能を無効にしておきます。

「システム」→「管理」→「ファイヤーウォール」をクリックします。


ファイヤーウォール機能を無効にします。これで、VNCが使用する全てのポートがブロックされなくなります。



◆VNC サーバの設定

 「vnc-server」のインストールが完了したところで、初期設定を行ってゆきます。「/etc/sysconfig/vncservers」を編集します。

【変更前】
# VNCSERVERS="2:myusername"
# VNCSERVERARGS[2]="-geometry 800x600" -nolisten tcp -nohttpd -localhost"


【変更後】
VNCSERVERS="1:root"
VNCSERVERARGS[2]="-geometry 1024x768" -nolisten tcp -nohttpd"

画面のサイズを「1024x768」にし、サーバへのアクセスが、「localhost」に限定されないようにします。

接続パスワードを設定します。

$ vncpasswd
Password:
Verify:

vncpasswdコマンドで、VNCのパスワードを設定します。

VNCで接続した際に、GNOMEで起動するように設定します。

「/root/.vnc/xstartup」を編集します。

【変更前】
# xterm -geometry 80x24+10+10 -ls -title "VNCDESKTOP Desktop" & twm &

【変更後】
# xterm -geometry 80x24+10+10 -ls -title "VNCDESKTOP Desktop" & gnome-session &

設定が完了したら、vncserverデーモンを起動させます。

# service vncserver start


◆サービスの設定

vncserverデーモンをFedoraを起動させる度に、コマンドを打つのは、面倒です。そこでサービスに登録します。


 「vncserver」にチェックを入れます。これで、Fedoraを起動すると自動的に、vncserverデーモンが起動するようになります。



◆VNC ビューアのインストール

 クライアント側には、「UltraVNC」をインストールします。「RealVNC」にもビューア機能がありますが、ここでは、「UltraVNC」を利用します。

 「UltraVNC」は、Windows専用として作られており、ほとんどの表示が日本語で翻訳されており、日本語キーボードにも対応しており、数あるVNC派生ソフトの中でも速度と機能に定評があります。

下のリンクからダウンロードできます。

http://kp774.com/soft/uvnc_jp

ダウンロードした「UltraVNC104RC14_JP1_Setup.exe」をダブルクリックします。


インストールは簡単です。セットアップウィザードが始まるので、インストールを完了させます。


「UltraVNC ビューア」を起動します。


すると接続画面が出てきます。

「接続先のIP:ディスプレイ番号」を入力して、「接続」ボタンを押します。

ここでは、「192.168.1.100:1」と入力して接続しています。


すると「VNC認証」画面が表示されます。

設定したパスワードを入力して「接続」ボタンを押します。


設定が正しければ、下の図のように接続先のFedoraサーバが表示され、リモート操作できるようになります。


 Windowsの「リモートデスクトップ接続」と比較すると、こちらは、やや重いのが実感ですが、操作に困るほど重いわけではありません。まずまず快適に動きます。VNCは、サーバの遠隔操作にオススメです。

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