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◆BGP(同期化の設定 その2)

※動作確認は、Cisco2500、Cisco1710、Cisco1720、Cisco1721、Cisco2611、Cisco2650、Cisco3620シリーズのルータ、Catalyst2900、Catalyst2950シリーズのスイッチなどで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、IOSのバージョンで異なる場合があります。

◆BGP(同期化の設定 その2)

 ここでは、「BGP(同期化の設定 その1)」で使用したネットワークをさらに拡張し、AS200を通過ASにして、BGP同期を検証してゆきます。

 使用するネットワークは、下図になります。このネットワークをBGPで構築してゆきます。

 下図のネットワークをBGPで構築してゆきますが、BGP同期に関しては、各ルータを以下のようにしておきます。

Router_A、Router_B ・・・ BGP同期を無効
Router_C、Router_D ・・・ BGP同期を有効

にしておきます。



●ルータの設定

 また、ルーティングを簡素化するために、Router_Aでは、AS200へのルートをデフォルトルートで到達させるようにします。

Router_A(config)#ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.16.0.2

Router_Bで次の設定を追加します。

Router_B(config-router)#neighbor 172.17.0.2 next-hop-self

Router_Cで次の設定を追加します。

Router_C(config-router)#neighbor 172.18.0.2 next-hop-self

 このコマンドを追加することで、Router_B、Router_C が、eBGP、iBGPで学習した「10.10.10.0/24」経路の「Next Hop」を自分のインタフェースで通知するようになります。

Router_A、Router_Bで、BGP同期を無効にします。

BGP同期を無効にするには、「no synchronization」コマンドを使います。

Router(config-router)#no synchronization

それでは、各ルータを設定してゆきます。

 強制的にインタフェースをUPさせるために、Router_AのE0インタフェースで「no keepalive」コマンドを設定しておきます。

●Router_Aの設定
!
version 11.2
no service udp-small-servers
no service tcp-small-servers
!
hostname Router_A
!
enable password cisco
!
interface Ethernet0
 ip address 10.10.10.1 255.255.255.0
 no keepalive
!
interface Serial0
 ip address 172.16.0.1 255.255.0.0
 clockrate 64000
!
router bgp 100
 no synchronization
 network 10.10.10.0 mask 255.255.255.0
 neighbor 172.16.0.2 remote-as 200
 no auto-summary
!
ip classless
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.16.0.2
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
 password cisco
 login
!
end


●Router_Bの設定
!
version 11.2
no service udp-small-servers
no service tcp-small-servers
!
hostname Router_B
!
enable password cisco
!
!
interface Serial0
 ip address 172.16.0.2 255.255.0.0
!
interface Serial1
 ip address 172.17.0.1 255.255.0.0
 clockrate 64000
!
router bgp 200
 no synchronization
 neighbor 172.16.0.1 remote-as 100
 neighbor 172.17.0.2 remote-as 200
 neighbor 172.17.0.2 next-hop-self
 no auto-summary
!
ip classless
!
line con 0
 exec-timeout 0 0
line aux 0
line vty 0 4
 password cisco
 login
!
end


●Router_Cの設定
!
version 11.2
no service udp-small-servers
no service tcp-small-servers
!
hostname Router_C
!
enable password cisco
!
interface Serial0
 ip address 172.17.0.2 255.255.0.0
!
!
interface Serial1
 ip address 172.18.0.1 255.255.0.0
 clockrate 64000
!
router bgp 200
 neighbor 172.17.0.1 remote-as 200
 neighbor 172.18.0.2 remote-as 300
 neighbor 172.18.0.2 next-hop-self
 no auto-summary
!
ip classless
!
line con 0
 exec-timeout 0 0
line aux 0
line vty 0 4
 password cisco
 login
!
end


●Router_Dの設定
!
version 12.1
no service single-slot-reload-enable
service timestamps debug uptime
service timestamps log uptime
no service password-encryption
!
hostname Router_D
!
logging rate-limit console 10 except errors
enable password cisco
!
ip subnet-zero
!
no ip finger
!
interface Serial0/0
 ip address 172.18.0.2 255.255.0.0
 no fair-queue
!
router bgp 300
 bgp log-neighbor-changes
 neighbor 172.18.0.1 remote-as 200
 no auto-summary
!
ip classless
no ip http server
!
line con 0
 exec-timeout 0 0
 transport input none
line aux 0
line vty 0 4
 password cisco
 login
!
no scheduler allocate
end


Router_CのBGPテーブルを確認してみます。

Router_C#show ip bgp
BGP table version is 2, local router ID is 172.18.0.1
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete

   Network          Next Hop          Metric LocPrf Weight Path
*>i10.10.10.0/24    172.17.0.1             0    100      0 100 i

「10.10.10.0/24」の経路が、「>」よりベストパスになっているのが確認できます。

ところが、

Router_DのBGPテーブルを確認してみます。

Router_D#sh ip bgp
(何も出力されない)

BGPテーブルは空で、「10.10.10.0/24」の経路情報がありません。

 Router_C でiBGPで、「10.10.10.0/24」の経路を学習し、ベストパスになっているにも関わらず、Router_Dへ、「10.10.10.0/24」の経路が伝わっていません。

Router_Dのルーティングテーブルを確認してみると

Gateway of last resort is not set

C    172.18.0.0/16 is directly connected, Serial0/0

当然ながら、「10.10.10.0/24」の経路がありません。

それは、Router_C、Router_Dで、BGP同期が有効になっているからです。

BGP同期では、次のルールがありました。

 iBGPピアから学習した経路をeBGPピアにアドバタイズする前に、その経路がIGPと同期していなければならない。

というルールです。

通過ASであるAS200が、AS300に「10.10.10.0/24」経路を通過させなかったのです。

確かに、Router_Cのルーティングテーブルを確認してみると

IGPと同期が取れていないため、「10.10.10.0/24」の経路がありません。

Gateway of last resort is not set

C    172.17.0.0/16 is directly connected, Serial0
C    172.18.0.0/16 is directly connected, Serial1

iBGPとIGPの両方で、同じルートのアドバタイズを受けた時のみ、ルーティングテーブルに載せます。

Router_Dで、「10.10.10.0/24」経路を反映させるためにRouter_CとRouter_DでBGP同期を無効にします。


Router_CでBGP同期を無効にします。

Router_C(config-router)#no synchronization

Router_DでBGP同期を無効にします。

Router_D(config-router)#no synchronization

これで、「10.10.10.0/24」経路は、AS300へ通過するようになったはずです。


ルーティングテーブルへの反映を早めるために次のコマンドを入力します。

Router_C(config)#clear ip bgp *

しばらくの間、待ってから

Router_DでBGPテーブルを確認してみます。

Router_D#show ip bgp
BGP table version is 2, local router ID is 172.18.0.2
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete

   Network          Next Hop            Metric LocPrf Weight Path
*> 10.10.10.0/24    172.18.0.1                             0 200 100 i

「10.10.10.0/24」の経路をBGPで学習し、ベストパスになっていることが確認できます。

Router_Dで、再度ルーティングテーブルを確認してみます。

Gateway of last resort is not set

C    172.18.0.0/16 is directly connected, Serial0/0
     10.0.0.0/24 is subnetted, 1 subnets
B       10.10.10.0 [20/0] via 172.18.0.1, 00:01:55

Router_Dのルーティングテーブルに、「10.10.10.0/24」経路が反映されました。



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