@network Cisco・アライド実機で学ぶ > Cisco実機で学ぶ(CCNP) > BGP(基本設定 ループバックでピア その8)

 Rakuten

@network Cisco・アライド実機で学ぶ
◆BGP(基本設定 ループバックでピア その8)

※動作確認は、Cisco2500、Cisco1710、Cisco1720、Cisco1721、Cisco2611、Cisco2650、Cisco3620シリーズのルータ、Catalyst2900、Catalyst2950シリーズのスイッチなどで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、IOSのバージョンで異なる場合があります。

◆BGP(基本設定 ループバックでピア その8)

 OSPFネットワークにおいて、ループバックアドレスは、ルータIDを決める重要なインタフェースとして機能しました。ループバックアドレスは、絶対にダウンしないインタフェースです。

 ループバックアドレスが設定されたルータに到達する経路が複数ある場合に、ループバックアドレスを仕掛けることは、有効なテクニックとなります。

 OSPFにおけるループバックアドレスの活用については、下のリンクで紹介しています。

OSPF(DR・BDRの選出 ループバックアドレス)

iBGPにおいてもループバックアドレスを設定することは、有効なテクニックとなります。

 iBGPでは、フルメッシュでネットワークを構築され、経路が冗長化されます。その為、ループバックアドレスが設定されたルータへの到達経路が複数存在することになります。

 BGPの設定では、各ルータでピアを張ります。ピアに指定した相手側ルータの物理インタフェースがダウンした場合、ピアが切れてしまうことになります。

ループバックインタフェースは、ダウンしません。

 ループバックアドレスが設定されたルータに到達するための経路が複数存在すれば、ピアが切断される可能性は、極めて低くなります。

iBGP、eBGPでは、以下のように接続するのが一般的です。

iBGP: フルメッシュ接続
eBGP: 1対1の接続

と言うことで、iBGPでは、ピアを張る相手ルータのループバックアドレスを指定して、ピアを張るのが一般的です。


●ループバックアドレスでピアを張る設定

1.ループバックインタフェースにIPアドレスを割り当てます。

Router(config)#interface Loopback[番号]
Router(config-if)#ip address [IPアドレス] [サブネットマスク]

2.ピアを張る

Router(config-router)#neighbor [相手ルータのループバックアドレス] remote-as [AS番号]

3.ピアを張る際の自分のループバックアドレスを指定する。

Router(config-router)#neighbor [相手ルータのループバックアドレス] update-source Loopback[番号]


●ルータの設定

 「BGP(基本設定 iBGPの設定 その6)」で設定したiBGPネットワークの構成を今度は、ループバックアドレスでピアを張って設定してゆきます。

使用するネットワークは下図になります。



それでは、各ルータをループバックアドレスでピアを張って構成してゆきます。

 強制的にインタフェースをUPさせるために、Router_AのE0インタフェースで「no keepalive」コマンドを設定しておきます。

●Router_Aの設定
!
version 11.2
no service udp-small-servers
no service tcp-small-servers
!
hostname Router_A
!
enable password cisco
!
interface Loopback0
 ip address 1.1.1.1 255.255.255.255
!
interface Ethernet0
 ip address 10.10.10.1 255.255.255.0
 no keepalive
!
interface Serial0
 ip address 172.16.0.1 255.255.0.0
 clockrate 64000
!
interface Serial1
 ip address 172.18.0.1 255.255.0.0
 clockrate 64000
!
router bgp 100
 no synchronization
 network 10.10.10.0 mask 255.255.255.0
 network 172.16.0.0
 network 172.18.0.0
 neighbor 2.2.2.2 remote-as 100
 neighbor 2.2.2.2 update-source Loopback0
 neighbor 3.3.3.3 remote-as 100
 neighbor 3.3.3.3 update-source Loopback0
 no auto-summary
!
ip classless
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
 password cisco
 login
!
end


●Router_Bの設定
!
version 11.2
no service udp-small-servers
no service tcp-small-servers
!
hostname Router_B
!
enable password cisco
!
interface Loopback0
 ip address 2.2.2.2 255.255.255.255
!
interface Serial0
 ip address 172.16.0.2 255.255.0.0
!
interface Serial1
 ip address 172.17.0.1 255.255.0.0
 clockrate 64000
!
router bgp 100
 no synchronization
 network 172.16.0.0
 network 172.17.0.0
 neighbor 1.1.1.1 remote-as 100
 neighbor 1.1.1.1 update-source Loopback0
 neighbor 3.3.3.3 remote-as 100
 neighbor 3.3.3.3 update-source Loopback0
 no auto-summary
!
ip classless
!
line con 0
 exec-timeout 0 0
line aux 0
line vty 0 4
 password cisco
 login
!
end


●Router_Cの設定
!
version 11.2
no service udp-small-servers
no service tcp-small-servers
!
hostname Router_C
!
enable password cisco
!
interface Loopback0
 ip address 3.3.3.3 255.255.255.255
!
interface Serial0
 ip address 172.17.0.2 255.255.0.0
!
interface Serial1
 ip address 172.18.0.2 255.255.0.0
!
router bgp 100
 no synchronization
 network 172.17.0.0
 network 172.18.0.0
 neighbor 1.1.1.1 remote-as 100
 neighbor 1.1.1.1 update-source Loopback0
 neighbor 2.2.2.2 remote-as 100
 neighbor 2.2.2.2 update-source Loopback0
 no auto-summary
!
ip classless
!
line con 0
 exec-timeout 0 0
line aux 0
line vty 0 4
 password cisco
 login
!
end


各ルータのルーティングテーブルを確認してみます。

●Router_Aのルーティングテーブル
Gateway of last resort is not set

     1.0.0.0/32 is subnetted, 1 subnets
C       1.1.1.1 is directly connected, Loopback0
     10.0.0.0/24 is subnetted, 1 subnets
C       10.10.10.0 is directly connected, Ethernet0
C    172.16.0.0/16 is directly connected, Serial0
C    172.18.0.0/16 is directly connected, Serial1

●Router_Bのルーティングテーブル
Gateway of last resort is not set

     2.0.0.0/32 is subnetted, 1 subnets
C       2.2.2.2 is directly connected, Loopback0
C    172.16.0.0/16 is directly connected, Serial0
C    172.17.0.0/16 is directly connected, Serial1

●Router_Cのルーティングテーブル
Gateway of last resort is not set

     3.0.0.0/32 is subnetted, 1 subnets
C       3.3.3.3 is directly connected, Loopback0
C    172.17.0.0/16 is directly connected, Serial0
C    172.18.0.0/16 is directly connected, Serial1

各ルータのルーティングテーブルには、コネクテッド(「C」)のエントリしかありません。

それもそのはずです。

ピアに指定した相手ルータのループバックアドレスにアクセスできないからです。

続きは、「BGP(基本設定 ループバックでピア その9)」で、この続きの設定をしてゆきます。

BGPの基本設定 1011



<ネットワーク資格の練習問題に挑戦>
CCNA練習問題に挑戦!(650問)
Network+練習問題に挑戦!(393問)
テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
◆Cisco実機で学ぶ(CCNAルータ編)

ルータの概要・基本操作・設定1 (17項目)
ルータの概要・基本操作・設定3 (22項目)
IGRP・EIGRPの設定 (18項目)
アクセスリスト・ACLの設定 (14項目)
NAT・DHCPの設定 (8項目)
ルータの概要・基本操作・設定2 (17項目)
RIPv1・RIPv2の設定 (14項目)
OSPFの設定・デフォルトルートの伝播(16項目)
WANの設定 (10項目)
◆Cisco実機で学ぶ(CCNAスイッチ編)

スイッチの基本操作・設定 (14項目)
VTP・スパニングツリーの設定 (12項目)
MACアドレスの管理・VLANの設定 (12項目)

◆アライドテレシス実機で学ぶ

基本操作・設定 (11項目)
OSPFの設定 (9項目)
ポリシールーティング・VRRPなど (12項目)
VLAN・マルチホーミング・RIPの設定 (10項目)
STP・ポートトランキングなど (14項目)
<関連コンテンツ>
◆Cisco実機で学ぶ(CCNP)

BGPとは
BGP(基本設定 その1)
BGP(基本設定 iBGP・eBGP確認 その3)
BGP(基本設定 iBGPの設定 その5)
BGP(基本設定 iBGPの設定 その7)
BGP(基本設定 ループバックでピア その9)
BGP(基本設定 iBGPとIGP その11)
BGP(経路決定プロセスの確認 その1)
BGP(同期化とは)
BGP(同期化の設定 その2)
BGP(eBGPマルチホップ その2)
BGPルートの生成(IGPから再配送 その1)
BGPルートの生成(経路集約 その1)
BGPルートの生成(経路集約 その3)
iBGPで学習した経路は他のiBGPへ流さない
BGP(ルートリフレクションとは)
BGP(ルートリフレクションの確認)
BGP(複数のルートリフレクタの設定)
BGP(コンフェデレーションとは)
BGP(コンフェデレーションの確認 その1)
BGP(コミュニティとは)
BGP(コミュニティの確認)
BGP(バックドア その1)
BGP(バックドア その3)
BGP(ピアグループの設定 その1)
BGP(ピアグループの確認)
BGP(Local Preferenceの設定 その1)
BGP(Local Preferenceの確認)
BGP(MED属性の設定 その1)
BGP(MED属性の確認)
BGP(AS_PATH属性 その1)
BGP(AS_PATH属性 その3)
BGP(AS_PATHフィルタ・filter-list その2)
BGP(配布リスト・distribute-list その1)
BGP(配布リスト・distribute-list その3)
BGP(PREFIXフィルタ その2)
BGP(近隣関係の形成)
BGP(基本設定 ベストパスの確認 その2)
BGP(基本設定 next-hop-self その4)
BGP(基本設定 iBGPの設定 その6)
BGP(基本設定 ループバックでピア その8)
BGP(基本設定 iBGPとIGP その10)
BGP(経路決定プロセス)
BGP(経路決定プロセスの確認 その2)
BGP(同期化の設定 その1)
BGP(eBGPマルチホップ その1)
BGPルートの生成(networkコマンド)
BGPルートの生成(IGPから再配送 その2)
BGPルートの生成(経路集約 その2)
BGPルートの生成(経路集約 その4)
BGP(iBGPはフルメッシュでピアを張る)
BGP(ルートリフレクションの設定)
BGP(複数のルートリフレクタ)
BGP(複数のルートリフレクタの確認)
BGP(コンフェデレーションの設定)
BGP(コンフェデレーションの確認 その2)
BGP(コミュニティの設定)
BGP(ORIGINアトリビュート)
BGP(バックドア その2)
BGP(ピアグループとは)
BGP(ピアグループの設定 その2)
BGP(Local Preference属性とは)
BGP(Local Preferenceの設定 その2)
BGP(MED属性とは)
BGP(MED属性の設定 その2)
BGP(帯域幅・bandwidthを設定する)
BGP(AS_PATH属性 その2)
BGP(AS_PATHフィルタ・filter-list その1)
BGP(AS_PATHフィルタ・filter-list その3)
BGP(配布リスト・distribute-list その2)
BGP(PREFIXフィルタ その1)
BGP(PREFIXフィルタ その3)
<関連メニュー>
CCNA実機で学ぶ
CCNP実機で学ぶ
アライドテレシス実機で学ぶ
TCP/IP入門・無料ネットワークツール

Copyright(c)2006- @network Cisco・アライド実機で学ぶ All rights reserved.