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◆IPデータグラムとIPヘッダ

※動作確認は、Cisco2500、Cisco1710、Cisco1720、Cisco1721、Cisco2611、Cisco2650、Cisco3620シリーズのルータ、Catalyst2900、Catalyst2950シリーズのスイッチなどで確認しています。コマンド、出力結果、動作は、機種、IOSのバージョンで異なる場合があります。
 資格取得が就職、転職、派遣に有利なのは確かですが、「資格=即戦力」とは言えません。実機を操作して資格取得と同時に就職・転職・派遣後に求められるエンジニア(仕事・ジョブ・ワークの達人)としての即戦力を養いましょう。


◆IPデータグラムとIPヘッダ

 通信相手のアドレス情報を取得した後は、実際にデータを含んだパケットを送り出してゆくわけですが、IP層から送り出されるパケット(IPデータグラム)は、IPヘッダとデータからなっています。

ここでは、IPデータグラムとIPヘッダについて説明してゆきます。

●IPデータグラム

 IPヘッダの基本ヘッダ部分は、20バイト(160bit)で構成されています。オプションは、必ず付けなければならないというものではありません。


●IPヘッダ

IPヘッダ内の各フィールドの情報について説明してゆきます。

 IPヘッダは、基本ヘッダのサイズが20バイトなので、標準で20バイトです。これにオプションを付けると20バイトを超えることになりますが、全体のサイズは、必ず4の倍数のバイト数になるように調整されるようになっています。

0 15 16 31
バージョン
(4ビット)
ヘッダ長
(4ビット)
TOS
(8ビット)
パケット長
(16ビット)
識別番号
(16ビット)
フラグ
(3ビット)
フラグメントオフセット
(13ビット)
TTL
(8ビット)
プロトコル番号
(8ビット)
ヘッダチェックサム
(16ビット)
送信元IPアドレス
(32ビット)
宛先IPアドレス
(32ビット)
オプション パディング
←―― 32ビット ――→

各フィールドの説明は、以下の通りです。

1.バージョン(4bit)

「4」であれば、IPv4、「6」であれば、IPv6であることを示します。

プロトコル番号 プロトコル
4 IPv4
6 IPv6
7 TP/IX
8 PIP
9 TUBA

2.ヘッダ長(4bit)

IPヘッダーの長さを示します。

3.TOS:サービスタイプ(8bit)

TOS(Type of Service)ビットには、IPパケットの優先順位を決めるための数値が格納されます。

4.パケット長(16bit)

IPヘッダとデータを含めたパケット全体の長さ示します。


 次の3つの情報、「識別番号」、「フラグ」、「フラグメントオフセット」は、データの分割と組み立てに関わる情報です。

5.識別番号(16bit)

 大きなデータを運ぶ時、ネットワークの境界で、MTUのサイズを超えてしまう場合があります。このデータを送るには、複数のパケットにに分割して送る必要があります。その際、もとは同じで分割されたデータなのか、全く別のデータなのかを識別するために使用します。

 分割されたデータのIPヘッダ内の「識別番号」には、全て同じ値が入ります。「識別番号」が同じであれば、もとのデータは、もともとは、1つのデータであったことが分かります。

6.フラグ(3bit)

IPパケットの分割を制御する時に使用されます。

ビット番号 意味
ビット0 予約(未使用)
ビット1 分割を許可するかしないかを表す値
0 ・・・ 分割可
1 ・・・ 分割不可
ビット2 フラグメントが最後かどうかを表す値
0 ・・・ 最後のフラグメントであることを示す。
1 ・・・ 後続のパケットが存在することを示す。

7.フラグメントオフセット(13bit)

 分割されたパケットが、元のデータでは、どこの位置にあるのかを表します。単位は8オクテットで、最大8×8,192(213)=65,536オクテットになります。

8.TTL:生存時間(8bit)

 TTL(Time to Live)は、生存時間です。ルータを経由する度に基本的には、1づつ減ってゆき、0になった時点でパケットが破棄されるようになっています。

9.プロトコル(8bit)

IPの上位層プロトコルを表し、次のプロトコルが定義されています。

プロトコル番号 プロトコル
0 予約
1 ICMP
4 IP
5 ST(データストリーム
6 TCP
17 UDP
46 RSVP
88 IGRP

10.ヘッダチェックサム(16bit)

 IPパケットに誤りがないかどうかをチェックするためにあります。TTL値は、ルータを経由する度にTTL値が変わるので、ルータを経由する度に、各ルータで再計算されます。
めにあります。

11.送信元IPアドレス(32bit)

送信元のIPアドレスが入ります。

12.宛先IPアドレス(32bit)

宛先のIPアドレスが入ります。

13.オプション(可変)

IPパケットに付加するオプションを指定します。

14.パディング:Padding(可変)

 オプションを指定した場合、長さが32ビット(4バイト)の倍数のバイト数になるように0で穴埋め(パディング)をして調整するために使用します。

プライベートIPアドレス」 ← 前項 | 次項 → 「MTUとデータ分割





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